行動経路記録システム
プロジェクト概要
塗装業を経営している企業様が新規事業でポスティング事業を立ち上げる事になり、ポスティング業務の管理を行うシステムが必要とのお話をいただき開発を行わせていただきました。
アプリ分類：行動経路記録システム
端末：Androidスマートフォン
アプリ形式：ネイティブアプリ/WEBアプリ
要望
行動経路記録システムでは下記のマスト要求がありました。
・スマートフォンでの稼働
・マップに移動したルートの記録/表示
・ポスティング時の移動距離/移動時間/日付の記録/表示
・複数の使用者での利用
・使用者のグループ分け
・低コスト
課題・施策
制作を始めるにあたって下記の課題がありました。
1.社内のみの運用でクローズアプリの為ストアを通さずに端末にインストールして稼働させる
通常スマートフォンで使用するネイティブアプリはGoogle PlayストアやApp Storeを通してインストールする必要がありますが、今回は「Monaca」というWebサービスを利用することで、ストアを通さずに端末へ直接アプリをインストールすることができるアプリの開発を行うことにしました。
2.Androidのアプリにおいてバックグラウンドでも位置情報の取得をしたい
初期では制作費用を抑えるためにWEBベースアプリのPWAでの運用も視野に入れておりましたが、バックグラウンドでGPSの監視を行うためには、ネイティブアプリである必要がありました。予算の兼ね合いもありましたのでiOS/Android両方に対応するアプリを制作するのではなく、比較的柔軟なAndroidアプリのみでの開発を行うことにしました。
3.GPSの軌道データは道路に沿った軌道に修正したい
取得したGPSの座標は正確な位置ではありません(現在地からからおおよそ半径10mの範囲)。真っ直ぐ移動したとしても軌道データはガタガタになってしまいます。
そこでGoogleが提供しているAPIを利用し軌道データの補正を行うことにしました。
4.管理画面はPCで閲覧・操作したい
ネイティブアプリと同様の画面をPCで閲覧・操作したい場合、PC向けのWebアプリを開発する必要がありますが、今回Monacaを使用したことで、HTMLやCSSの基本的な構造が共通だったため、簡単に移植することができます。また、移動経路に関するデータの処理や取得においてネイティブアプリとWebアプリの両方で共通利用できるAPIの開発も行うことにしました。
作業内容
今回はMonacaのサービスを初めて利用しました。
Monacaは「ハイブリッドアプリ」という「iOS」「Android」「WEB」のどのデバイスでも動作させる事ができるクロスプラットフォーム開発することができるサービスです。
Monacaを利用することにより、WEBベースでの開発が可能であり、PC等のWEBでも運用を行うことができるWEB/ネイティブアプリの同時開発により、コストを抑える事が出来ました。
またGPSのデータは10メートルほどの誤差が取得の度に発生するので、GPSの補足ロジックも開発しました。
GPS座標の管理を行い、実際の道路上に座標を移動し、移動ルートはMap上の道路に沿って描写する必要がありました。
Mapの道路上にルートを描写するために、Googleが提供しているGoogle Maps APIとGoogle Maps Roads APIを利用しました。
Google Maps Roads APIはリクエスト数に制限がありGPS座標の取得確定するたびにAPIリクエストをするとAPI利用の費用が莫大になります。座標処理を使用者がストレスを感じないタイミングである程度一括処理を行い、APIリクエスト数を抑えたロジックにしました。
最後に
弊社ではiOS/Androidのネイティブアプリの制作も可能です。しかし２つのプラットフォーム用の開発および申請・管理・決済手数料のコストが高額になってしまいます。
日本ではまだまだGoogle PlayストアやApp Storeを通してのネイティブアプリが主流ですが、最近では海外で人気のネイティブアプリのように運用が可能なWebベースで稼働するPWAでのアプリ開発を行う企業が増えてきております。
アプリの開発は高額な開発費用がかかりオリジナルアプリを作りたくても作れない方が多いですが、PWAでのアプリ開発の場合はネイティブアプリの開発に比べ開発費用を抑えることが可能です。
ネイティブアプリの開発費用/申請・管理・決済手数料のコスト問題でアプリの開発を足踏みしておられる方、スモールスタート/低予算/低コストを求めている方は、ぜひ一度青空工場へご相談いただければと思います。